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2022.02.06

暗号資産(仮想通貨)の取得価額が分からない場合の所得計算方法

[相談]

2017年(平成29年)の暗号資産の価格高騰時に得た利益については確定申告をしたものの

その後の2018年(平成30年)から2020年(令和2年)までは価格が下落し利益が全く

出なかったことから、確定申告や詳細な損益計算を行わず

それらの年分の取引記録なども残っていません

このような場合、2021年分の暗号資産取引による利益(所得)

はどのように計算すればよいのでしょうか。教えてください。

[回答]

ご相談の場合、2021年の暗号資産取引の収入金額の5%相当額を

取得価額として所得計算を行うことができます。

[解説]

1.平成30年1月1日以後に行った暗号資産取引による所得の計算方法の概要

平成30年1月1日以後に国内の暗号資産交換業者を通じて行った暗号資産取引については

それらの暗号資産交換業者から年間取引報告書を交付してもらうことで

簡便的な計算(総平均法)で、暗号資産取引による所得を計算することが可能です。

しかしながら、今回のご相談のように、平成29年以前に行った暗号資産取引については

年間取引報告書が交付されない場合があり、また、国内の暗号資産交換業者の一部

(コインチェック株式会社など)は年間取引報告書の交付そのものを行っていません

(※令和4年1月5日現在)。

そのような場合には、暗号資産交換業者のホームページ等から自身の取引履歴

(CSV)を取得するなどの方法で年間損益を計算して確定申告を行う必要が生じますが

暗号資産どうしの交換などを行うと、その損益計算は非常に煩雑となります。

また、今回のご相談のように、過去において損益計算を行っていなかった年分があると

当年だけの取引記録だけでは正確な損益計算ができないこととなります。

2.暗号資産の取得価額が不明な場合

上記1.のように暗号資産の取得価額が不明な場合は

暗号資産の売買による収入金額の5%に相当する金額を暗号資産の取得価額

として所得金額の計算を行うことが認められています。

したがって、今回のケースでは、2021年の暗号資産取引の

収入金額の5%相当額を取得価額として所得計算を行い

申告すればよいこととなります。

2022.01.30

経理業務アウトソーシングについて

皆さまは経理業務について、どのようなイメージをお持ちでしょうか。

経理業務とは、正しく記録し、正しい税務申告を行う、会社運営に必要不可欠な業務です。

また、間接部門でありながら、資金繰りや、数値を見える化し

経営者の意思決定に大きな影響を与える重要な役割があります。

経営者の正しい意思決定のために、常に、質と量の観点で業務を高めていく必要がありますが

お金を扱うという業務の内容から機密性が高く、属人化しやすいことも事実です。

最近、「Business Process Outsourcing」、「BPO」という言葉を耳にする機会も増えてきたのではないでしょうか。

企業運営上の業務やビジネスプロセスを専門企業に外部委託することを指します。

ここでは、主に経理業務に特化したアウトソーシングについてご説明します。

 経理業務のアウトソーシングのメリットとしては、下記の4点が挙げられます。

  ① 経営者や経理担当者が、コア業務へ投じる時間が増加する
  ② ダブルチェックや他者の目が入ることによって不正の抑止力になる
  ③ 担当者の急な病気や退職などのリスクに備えることができる
  ④ コスト(人件費+採用費+教育費)の削減に繋がる

 アウトソーシングは、本来、限られた資本を本業に生かすための手段です。

2021年4月の帝国データバンクの調査によると、企業の37.2%が正社員不足であるとしています。

しかし、今後、労働人口の減少がさらに続く見込みとなっており、その中で

働き方改革は急速に進んでいます。限られた時間の中で

成果を出すことが求められる時代です。皆さまも是非

これを機に経理業務の見直しを図ってみてください。

2022.01.22

家賃など請求書等の交付がないインボイス対応

令和5年10月から始まる消費税のインボイス制度では

一定の記載事項が記載された適格請求書(インボイス)の保存が仕入税額控除の要件となります

しかし、事務所の家賃など支払いに当たって、

取引の都度請求書や領収書が交付されない取引もあります。

こうした家賃など請求書等が交付されない費用について

インボイス制度下で仕入税額控除の適用を受けるための対応をまとめました。

 

「口座振替」の帳簿記載による控除は不可に,契約書等の書類の保存が必要

現行の区分記載請求書等保存方式でも仕入税額控除を適用するには

取引相手から交付された請求書等の保存が求められます。

この点,事務所の家賃など銀行の「口座振込」や「口座振替」で支払い

取引の都度,請求書等が交付されない取引に関しては,口座振込では請求書等の代わりに

「振込金受取書」と「賃貸借契約書」の保存が必要となる。

口座振替の場合には,振込金受取書の交付を受けないために

請求書等の交付を受けない「やむを得ない理由」があるものとして

「口座振替のため」等と帳簿に記載をすることで仕入税額控除の適用が認められています

しかし,インボイス制度では口座振替でも上記の帳簿記載では仕入税額控除は認められず

口座振込と同様に,賃貸借契約書等の書類の保存などが必要となります。(国税庁インボイスQ&A問76)

 

契約書に登録番号等の記載がある「新規契約」,契約書+通帳等で対応

インボイス制度で仕入税額控除を適用するには,その取引相手(賃貸借契約では貸主)

の登録番号等が記載されたインボイスの保存が必要となりますが

複数の書類を組み合わせる形で,インボイスの記載事項を満たすことが認められます。

令和5年10月以降に新たに事務所の賃貸借契約を結ぶ「新規契約」では

賃貸借契約書に貸主の登録番号等が記載されますが

それだけではインボイスの記載事項を満たしません。

この場合,賃貸借契約書に加えて口座振込では,登録番号等とは別に

インボイスの記載事項である「課税資産の譲渡等の年月日」を示す振込金受取書の保存が必要となります。

また,口座振替では,振込金受取書の交付を受けないため,賃貸借契約書に加えて

その銀行口座に係る「通帳」を保存すれば,インボイスの全ての記載事項を満たし

仕入税額控除が認められることになります

契約書に登録番号等の記載がない「既存契約」,不足事項の補足に注意

注意したいのが,令和5年10月前から既に事務所の賃貸借契約を結んでいる「既存契約」のケースです。

インボイス制度が始まる前に契約を締結しているため,その締結時期によっては

登録番号のほかにもインボイスの記載事項である「適用税率」や「消費税額等」が

賃貸借契約書に記載されていないことが想定されます。

この場合,新たに賃貸借契約書を結び直す必要はないですが

借主は賃貸借契約書及び振込金受取書等の保存に加えで記載が不足している登録番号

適用税率や消費税額等について貸主から別途通知を受け

保存をする必要があります。

事務所家賃以外の請求書等がない取引も同様の対応

事務所の家賃以外にも専門家への報酬といった,取引の都度

請求書等の交付を受けない取引は他にもあります

その場合も,「契約書+振込金受取書等」やこれらの書類で足りないインボイスの記載事項は

別途通知を受け保存するなど,事務所の家賃と同様の対応によって

仕入税額控除が受けられる。

なお,上記のように借主等が契約書等の各種書類を保存する対応のほか

貸主等が一定期間の賃料等についての適格請求書(インボイス)の交付を行う場合には

借主等はそのインボイスを保存することで仕入税額控除を受けられる。

2022.01.14

出張旅費等とインボイス

出張旅費の取扱い

従業員等に対して支給する出張旅費・宿泊費・日当等のうち

その旅行に通常必要であると認められる金額は

消費税の課税仕入れとすることができます。

この取扱いは、令和5年10月1日から導入される消費税の

インボイス制度下においても変わらりません。

インボイスが不要となる場合

インボイス制度では、帳簿及び適格請求書(インボイス)の保存が仕入税額控除の要件となりますが

請求書等の交付を受けることが困難であるなどの理由から

一定の取引については帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。

この一定の取引には「適格請求書(インボイス)の交付義務が免除される

3万円未満の公共交通機関による旅客の運送」や「従業員等に支給する通常必要と認められる

出張旅費等(出張旅費,宿泊費,日当及び通勤手当)」が含まれるます。

公共交通機関による旅客の運送については3万円未満とする金額基準がある一方

従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費については金額基準がありません。

つまり、3万円以上であっても帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められるということです。

その場合帳簿には、摘要欄の記載が必要となります。

具体的には,「(従業員等に対する)出張旅費」などと記載する必要があります。

また、帳簿のみの保存で仕入税額控除を行う場合「仕入の相手方の住所又は所在地」

を記載しなければならないこととされていますが、課税仕入れに該当する出張旅費等を

支払った場合の出張旅費等を受領した使用人等の住所等については不要となります。

2022.01.09

R4改正 免税事業者のインボイス登録日で2年縛りに違い

3年縛りは経過措置延長でも対象外

令和4年度税制改正大綱では,免税事業者の適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)

の登録に係る経過措置期間の延長が盛り込まれました。

これに伴い,登録日が令和11年9月30日までの日の属する課税期間(延長期間)に該当し

なおかつ、“令和5年10月1日の属する課税期間以外”の場合には

2年間免税事業者となれない制限いわゆる『2年縛り』の対象になることも示されている。

一方,調整対象固定資産(税抜100万円以上の棚卸以外の資産)取得時のいわゆる

『3年縛り』については,登録日が延長期間中であっても対象外になるようです

経過措置期間が6年間に延長

免税事業者がインボイス発行事業者の登録を期の途中から受けられる経過措置期間は

改正後は,令和11年9月30日までの日の属する課税期間までで

期中からでも登録を受けることができるようです。

免税事業者がインボイス発行事業者の登録を受けるには

原則として,課税事業者選択届出書(課税選択届出書)を提出しなければなりませんが

この経過措置を適用すれば,インボイスの登録申請書の提出のみで登録手続きが完了するため

課税選択届出書は不要となります。

改正後も課税選択届出書は提出不要ですが・・・

経過措置の適用で免税事業者からインボイス発行事業者(課税事業者)になった場合

改正後は、令和5年10月1日の属する課税期間に登録を受けたか否かで

次のとおり『2年縛り』の取扱いが異なります

■令和5年10月1日の属する課税期間に登録を受ける場合

この場合は,改正後であっても『2年縛り』の対象外となります。

例えば,12月決算法人が経過措置を適用して令和5年12月期の途中に登録を受けた場合

令和6年12月期から免税事業者になることができます。

■令和5年10月1日の属する課税期間 以外 に登録を受ける場合

一方,延長期間中に登録を受ける場合は

原則通り課税選択届出書を提出することで課税転換した場合とのバランスを考慮し

『2年縛り』の対象となる。

この場合の免税事業者になれない期間は、

登録日の属する課税期間の翌課税期間から登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までです。

例えば,経過措置で令和6年12月期の途中に登録を受けた場合

令和7

設備投資しても3年間の辛抱は不要

これに対して,いわゆる『3年縛り』については

登録日が令和5年10月1日の属する課税期間か否かで違いはなく

改正前同様,対象外になります。

『3年縛り』とは,免税事業者になれない期間中に調整対象固定資産を取得等した場合には

さらにその取得日の属する課税期間の初日から3年間は免税事業者になれないというものです

3年縛りの適用も,課税選択届出書を提出した事業者に限定されています。

例えば,経過措置で令和6年12月期の途中に登録を受けた場合において

令和7年12月期に調整対象固定資産を取得等すると

2年縛りの対象となる令和7年12月期と令和8年12月期は免税事業者になれませんが

2年縛りが解除される令和9年12月期には3年縛りの制限はかからないため

免税事業者に戻れます。

一方,経過措置を適用せず原則通り課税選択届出書を提出した場合は

3年縛りの対象になるため,令和10年12月期以降でないと免税事業者になれません。

 

2021.12.25

電子帳簿保存法/電子取引データの保存に関する経過措置

[相談]

令和4年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存について

経過措置が設けられるとの報道がありましたが、どのような内容でしょうか。

[回答]

令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に行われる電子取引については

一定の要件のもと、引き続き書面出力による保存を認めるという経過措置が設けられる見込みです。

[解説]

1.改正電子帳簿保存法における電子取引に係る電磁的記録の保存方法

令和4年1月1日に施行される改正電子帳簿保存法では

同日以後に行われる電子取引について

電子帳簿保存制度を導入している・いないにかかわらず

書面出力(印刷)して保存する方法は原則として認められなくなり

改正法に定める要件に則った方式で電子保存する必要がある旨が定められています。

2.国税庁が公表した追加情報と、令和4年度税制改正大綱における経過措置の内容

 上記1.について、国税庁は、令和3年11月12日に、


電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として

電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には

その事実をもって青色申告の承認が取り消され、税務調査においても経費として

認められないことになるのではないかとの問合せがあります。

これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて

申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から

確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにも関わらず

直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。


という追加情報を発信し、各企業での電子取引データの保存方法

取扱いが青色申告の取消しには直結しないことを公表しました。

加えて、令和3年12月10日に政府与党が公表した令和4年度税制改正大綱では

令和4年1月1日から令和5年12月31日までの間に行われる電子取引について、

  1. ①納税地等の所轄税務署長が電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存要件にしたがって
  2. 保存をすることができなかったことについてやむを得ない事情があると認め、
  3.  
  4. かつ、
  5.  
  6. ②保存義務者が質問検査権に基づく電磁的記録の出力書面の提示等の求めに
  7. 応じることができるようにしている場合には、改正電子帳簿保存法の保存要件にかかわらず
  8. 電磁的記録の保存をすることができることとする経過措置(※)を講ずることとされています。

以上より、電子取引データの保存方法については

改正法施行後も、当面の間は書面による保存を行える見込みとなっています。

※この経過措置の適用について、税制改正大綱では、保存義務者から納税地等の所轄税務署長への

手続きを要せず出力書面等による保存を可能とするよう

運用上、適切に配慮することとされています。

2021.12.18

インボイス制度導入後の消費税免税事業者からの仕入税額控除についての経過措置

[相談]

私が経営する会社(ホームページ制作業)では個人事業主である

WEBデザイナーへの外注費の支払が多数あります。

それらの外注先の多くは消費税免税事業者なのですが

消費税のインボイス制度が令和5年(2023年)10月1日から始まると

その外注費について、当社は消費税の仕入税額控除

を全く受けられなくなってしまうのでしょうか。

※仕入税額控除とは、消費税納税額の計算にあたって、売上に際して預かった消費税額から

仕入れや経費などの外部に支払った消費税額を差し引くことをいいます。

[回答]

ご相談の免税事業者への支払については、当面の間

仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できる経過措置が設けられています。

詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.消費税のインボイス制度(適格請求書発行事業者登録制度)の概要

令和5年(2023年)10月1日以降、事業者が仕入税額控除の適用を受けるためには

原則として、「適格請求書発行事業者」から交付された「インボイス」

(適格請求書)を保存することが必要となります。

そのインボイスには、「登録番号」、「適用税率」、「消費税額」などを

記載することが必要と定められているのですが、事業者がインボイスを発行できる事業者

(適格請求書発行事業者)となるためには、一定の届出などを行って

消費税課税事業者(消費税を納める義務がある事業者)となることが必要です。

つまり消費税免税事業者(消費税を納める義務が無い事業者)は

適格請求書発行事業者になれない(=インボイスを発行できない)ため

インボイス制度導入後の消費税免税事業者への支払(課税仕入れ)については

原則的には仕入税額控除を受けられなくなるということになります。

2.経過措置

上記1.については、インボイス制度が導入される令和5年(2023年)10月1日から

令和11年(2029年)9月30日までの6年間に限り

仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなして控除できるという経過措置が設けられています。

なお、この経過措置の適用を受けるためには
法定事項が記載された帳簿及び請求書などの保存とともに
帳簿にこの経過措置の適用を受けたものである旨を記載する必要があるとされていますので
ご注意ください。

[参考]
 新消法30、57の4、国税庁軽減税率・インボイス制度対応室

「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(令和3年7月改訂)」など

 

2021.12.11

インボイスを、令和5年(2023年)10月1日から発行するための事前手続き

[相談]

私は今年(令和3年)、個人事業で運送業を始めました。

売上高は、令和3年、令和4年のいずれも年間800万円程度の見込み

(=消費税免税事業者)なのですが、主要取引先との関係で

消費税のインボイス制度が始まる令和5年(2023年)10月1日以降

「インボイス」を発行できるようにするために、あえて消費税課税事業者となること

(=消費税を納めること)を検討しています。

そこでお聞きしたいのですが、私が令和5年(2023年)10月1日から

消費税課税事業者となろうとする場合、どのような手続きを行えばよいのでしょうか。

[回答]

ご相談の場合、原則として、令和5年(2023年)3月31日までに税務署長に

「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出し、登録事業者となる必要があります。

[解説]

1.消費税のインボイス制度(適格請求書発行事業者登録制度)の概要
令和5年(2023年)10月1日以降、事業者が仕入税額控除

(売上げにかかる消費税から仕入れや経費にかかる消費税を差し引くこと)

の適用を受けるためには、原則として、「適格請求書発行事業者」から交付された

「インボイス」(適格請求書)を保存することが必要となります。

そのインボイスには、「登録番号」、「適用税率」、「消費税額」

などを記載することが必要と定められているのですが

事業者がインボイスを発行できる事業者(適格請求書発行事業者)となるためには

一定の届出などを行って、消費税課税事業者となることが必要です

(言い換えますと、消費税免税事業者はインボイスを発行できない、ということです)。

2.令和5年10月1日からインボイスを発行できるようにするための手続き
事業者が、令和5年(2023年)10月1日からインボイスを発行できるようにするためには

事前に、納税地の所轄税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して

登録を受けることが必要です。

その登録申請書は、令和3年10月1日から提出することができ

令和5年(2023年)3月31日までに提出しておくと

原則、令和5年(2023年)10月1日から適格請求書発行事業者として

取引先にインボイスを発行できるようになります。

(注意点)
上記の手続きを行って令和5年(2023年)10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けた場合

その日(登録日)から消費税課税事業者となります。

このため、今回のご相談の場合は、令和5年(2023年)10月1日から

令和5年(2023年)12月31日までの期間について、消費税の申告が必要となります。

2021.12.04

改正電子取引の適用関係で一定の措置を検討

令和3年度改正により,メール等の電子取引で請求書等に係る取引情報を授受した場合

全ての事業者に対して,検索要件等を満たす形で取引情報を電子データ保存することが

義務付けられました

令和4年1月1日以後に行う電子取引に適用されますが

システム対応等の準備が不十分といった声が多いようです

全ての事業者が無理なくデジタル化を進められるようにする観点などから

改正電子取引制度の適用関係について、

やむを得ず対応が困難とされるような場合には一定期間において

一定の宥恕を認めるといった措置の有無を含め検討がされるようです

システム整備などの対応が間に合わないケースも

令和3年12月31日までの電子取引では,授受した請求書等の電子データを出力して

書面での保存を認める措置が設けられています。

令和3年度改正で同措置は廃止され,同日後の電子取引では書面出力保存はできず

検索要件等を満たす形で電子データでの保存が義務付けられました(電帳法7等)。

これまで,電子取引に係る電子データは書面に出力して保存していた事業者も多いことから

この改正に注目が集まっています。

検索要件等の保存要件に対応するためには,システム整備などの一定の対応が求められます

しかし、施行まであと1か月を切った今でも,そもそも“改正制度の内容を知らない”という声や

“準備が間に合わない”といった声が多数あるようです。

11月17日に開かれた政府税制調査会の第7回「納税環境整備に関する専門家会合」においても

準備期間の観点等から宥恕規定などの措置の検討を求める発言があったようです

「所要の整備」の要望が挙がり,自民党税調で対応を検討

11月29日,自民党税制調査会で経済産業部会は

「申告・納税等の税務手続の一層の電子化の推進等の観点から,企業の事務負担軽減に資するよう

電子帳簿保存法の電子取引の保存に関する制度や税務調査のデジタル化等について

所要の整備を講じること」として,電子取引制度への改正要望を挙げました。

そして,自民党税制調査会の12月2日の審議においては

上記要望に対して,検討をすることを示したようです

2021.11.27

電子帳簿保存法/電子取引データを書面保存した場合の青色申告承認取消しリスク

[相談]

令和4年1月1日から施行される改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存について

その保存方法が法律上の要件に従っていないと

青色申告の承認の取消しリスクがある旨が国税庁から公表されています。

この点についてその取扱いについての変更などの情報はないでしょうか。

[回答]

ご相談の件については、令和3年11月12日に国税庁が追加情報を公表しています。

詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.改正前と改正後の電子帳簿保存法上の電子取引に係る保存方法の変更点

現行の電子帳簿保存法では

「所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は

電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより

当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。」

(第10条)と定められています。

ただし、「財務省令で定めるところにより、当該電磁的記録を出力することにより

作成した書面又は電子計算機出力マイクロフィルムを保存する場合は、この限りでない。」

(第10条)とも定められていることから

現行法が適用される令和3年12月31日までの間に行われた電子取引

(例:メール添付で取引先から受領した請求書など)については

現行法上はその取引記録を書面で出力することにより保存する方法も認められています。

これに対し、令和4年1月1日施行の改正電子帳簿保存法では

上記のただし書き部分が削除されているため、電子取引の取引記録を書面出力して

保存する方法は法律上認められなくなりました。

また、改正前・改正後の同法の「保存義務者」については

いずれも「国税に関する法律の規定により国税関係帳簿書類の保存をしなければならないこととされている者をいう。」

(第2条)と定められており、電子帳簿保存制度を導入している者だけに限定されていないことから

電子帳簿保存法は、実質的にすべての企業が適用対象となると考えられます。

以上のことから、改正法が施行される令和4年1月1日以後に行われる電子取引については

電子帳簿保存制度を導入している・いないにかかわらず、書面出力(印刷)して保存する方法は認められなくなり

電子帳簿保存法の要件に則った方式で電子保存する必要があることとなります。

2.青色申告の承認の取消しリスク

上記1.について、国税庁は「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」において

「令和4年1月1日以後に行う電子取引の取引情報に係る電磁的記録については

その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、その電磁的記録の保存に代えることはできないこと」

を明記するとともに、「したがって、災害等による事情がなく

その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ること」も公表しています。

このQ&Aに対する納税者の不安の声に対し、国税庁は、令和3年11月12日に

「電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存義務に関する今般の改正を契機として

電子データの一部を保存せずに書面を保存していた場合には、その事実をもって青色申告の承認が取り消され

税務調査においても経費として認められないことになるのではないかとの問合せがあります。

これらの取扱いについては、従来と同様に、例えば、その取引が正しく記帳されて

申告にも反映されており、保存すべき取引情報の内容が書面を含む電子データ以外から

確認できるような場合には、それ以外の特段の事由が無いにもかかわらず

直ちに青色申告の承認が取り消されたり、金銭の支出がなかったものと判断されたりするものではありません。」

という追加情報を発信し、各企業での電子取引データの保存方法・取扱いが青色申告の取消しには

直結しないことを公表しました。

上記の取扱いが公表されたことで、改正電子帳簿保存法における電子取引データの保存方法の規定

そのものには変更はないものの、特に中小企業への急激な事務処理負担の増加は

避けられるのではないかと思われます。

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